初回特集A 各駅の利用客数推移・傾向

東葉高速線内各駅の開業以降の利用客数の推移、
及び利用客数の増減などの傾向を把握するものです。
グラフなども使い、各駅ごとにその傾向を読み取ってゆきます。
なおデータは1日平均乗降人員(乗車人員×2)を使います。


 東葉高速線全体の利用客数推移
最新数値の
初年度比増加率
最新数値の
前年度比増加値
最も増加した年度
(開業1年目除く)
最も減少した年度 相関係数
(増加数の安定度を示す数値で、
1に近いほど安定度が高い)
+87.4% -0.3%
(-795人)
 数:2007年度(+19,115人)
 率:1998年度(+8.5%)
 数:2009年度(-2,321人)
 率:2009年度(-0.9%)
0.93354742

数値は西船橋〜東葉勝田台の各駅1日平均乗降人員の合計です。見ての通り、全体的に増加傾向にあります。
増加率は開業以来鈍り、2002年度以降は2年連続で減少することもありました。
ただその後2006年度から2007年度にかけて開業以来2番目の増加数を記録するなど、数を着実に伸ばしています。
2009年度に大きく減少したのは不景気によるもので、全国的にどの鉄道会社もこの年はほぼ減少しています。

数値のまとめは利用客数のページをご覧ください。
西船橋駅以外の開業以来の利用客数推移です。西船橋駅は他駅と比べ数値が突出しているので省きました。
各駅ごとに傾向は異なりますが、現時点において一度も利用客数が減少していない駅は八千代緑が丘駅のみです。
八千代中央駅・村上駅も長らく減少していませんでしたが、2009年度で初めて減少しました。
また西船橋駅を除くと、開業初年度に比べ利用客数が最も増加した駅は八千代緑が丘、次いで八千代中央です。
全体的な傾向としては、八千代市内の駅は増加数が一定しているのに対し、船橋市内の駅は開業後3〜4年間で一気に増え、
その後は横這いやや微増で推移しています。

 西船橋駅の推移   〜東葉高速線が伸びればまだまだ伸びる

最新数値の
初年度比増加率
最新数値の
前年度比増加値
最も増加した年度
(開業1年目除く)
最も減少した年度 相関係数
(増加数の安定度を示す数値で、
1に近いほど安定度が高い)
+99.7% +0.1%
(+68人)
 数:2007年度(+10,218人)
 率:2007年度(+11.0%)
 数:2009年度(-2,898人)
 率:2009年度(-2.7%)
0.914308449
この西船橋駅の数値は、東京メトロとの直通人員を含んだ値となっています。
地域公共交通総合連携計画の資料によると、東葉西船橋駅の定期利用者のうち7割が東西線に直通し、3割が乗換ないしは下車するとのことです。 ただ東葉高速線は全利用者のうち朝夕の通勤通学利用者数の割合が突出しているので、実際はラッシュ時に直通人員の割合が圧倒的に増え、 逆に日中は西船橋で下車ないしはJR線へ乗り換える人の方が多くなります。

過去の推移を見ると、2007年度における増加がやはり凄まじいです。
この年に10万人を突破しましたが、1年で1万人以上も増加しており開業1年目に次ぐ勢いとなりました。
もちろん西船橋駅は東葉高速線全体の利用客数の影響を受けており、増減は基本的に路線全体の推移とほぼ同じです。
つまり大半の東葉高速線利用者が西船橋駅を利用するので、その趨勢を見れば自ずと路線規模まで分かると思います。

 東海神駅の推移   〜再開発もどこ吹く風の小幅増加

最新数値の
初年度比増加率
最新数値の
前年度比増加値
最も増加した年度
(開業1年目除く)
最も減少した年度 相関係数
(増加数の安定度を示す数値で、
1に近いほど安定度が高い)
+91.0% +3.4%
(+192人)
 数:1998年度(+398人)
 率:1998年度(+10.5%)
 数:2004年度(-277人)
 率:2004年度(-5.4%)
0.940867619
東海神駅は船橋駅に近いため、地元民利用が少なく西船橋駅同様に他駅からの集客で数を稼いでいます。
そのため利用客数は少ないのに、朝ラッシュ時は降客・夕ラッシュ時は乗客の方が多いという特異な駅です。
過去の推移を見ると2004年度で大幅に減少しましたが、それ以外の年度では減少していません。
駅周辺で工場跡地の再開発も進んでいますが、それほど影響を受けることも無く今後も微増を続けるものと思われます。
船橋駅へ連絡する地下通路でも出来れば、利用機会は格段に増えそうですが。

 飯山満駅の推移   〜駅前に今後のありようが掛かっている

最新数値の
初年度比増加率
最新数値の
前年度比増加値
最も増加した年度
(開業1年目除く)
最も減少した年度 相関係数
(増加数の安定度を示す数値で、
1に近いほど安定度が高い)
+54.6% +0.9%
(+146人)
 数:1998年度(+878人)
 率:1998年度(+7.1%)
 数:2004年度(-366人)
 率:2004年度(-2.5%)
0.884359962
飯山満駅は長らく駅前が開発されず、芝山団地等利用者層が固定されていたために、
開業後数年間で一気に利用客数が増えた後横這い微増をしている典型的な駅です。
2007年度に懸案であった駅前道路が開通し、バス乗り入れが開始され利用客数がかなり伸びました。
2008年度から2009年度にかけては不況に煽られ増加が鈍りましたが、今後この数値がどのように伸びるかが、
始まりつつある駅前開発の如実な趨勢を知る大きな鍵となりそうです。

 北習志野駅の推移   〜駅舎新築・新京成の勢いとは裏腹に

最新数値の
初年度比増加率
最新数値の
前年度比増加値
最も増加した年度
(開業1年目除く)
最も減少した年度 相関係数
(増加数の安定度を示す数値で、
1に近いほど安定度が高い)
+33.6% +0.5%
(+192人)
 数:1998年度(+1,622人)
 率:1998年度(+4.9%)
 数:2004年度(-522人)
 率:2004年度(-1.5%)
0.719999708
見ての通り、東葉高速線内で最も増加数安定度の低い駅です。相関係数は線内で最も低いです。
開業3年目にして他駅より一足早く減少を喫し、その後は3万人台後半をほぼ横這いで推移しています。
これと対照的なのが、新京成線北習志野駅の推移です。特に新京成線の方はつい最近新駅舎が開業したこともあり、
毎年新鎌ケ谷駅と並んで増加しています。1日平均乗降人員は東葉高速線より1万人ほど多い4万人台後半です。
ただこれを見れば、決して東葉高速線への逸走傾向が強まっているわけではない、ということがすぐに分かりますね。
勢いに乗っている新京成線に押され気味なのが、東葉高速線北習志野駅の実態のようです。
自分も毎朝通っていますが、北習志野駅は前と比べ現在はかなり客が減ったように感じることがよくあります。

 船橋日大前駅の推移   〜僅かな地元利用の伸びしろは如何なるものか

最新数値の
初年度比増加率
最新数値の
前年度比増加値
最も増加した年度
(開業1年目除く)
最も減少した年度 相関係数
(増加数の安定度を示す数値で、
1に近いほど安定度が高い)
+78.9% +5.7%
(+766人)
 数:2007年度(+1,392人)
 率:2007年度(+12.2%)
 数:2003年度(-650人)
 率:2003年度(-6.0%)
0.848398527
現時点ではあまり傾向のはっきりしない駅です。東海神駅のように、地元民利用は少ないと思われます。
前半は飯山満駅や北習志野駅のように、開業後数年間で増えその後は横這い微増で推移しています。
しかし2004年度の東口開業後、地元民利用という新需要が現れました。その後はまだ一度も減少していません。
著しい増加を見せたのは2007年度ですが、2004年度はもちろん2009年度など不況に煽られた年度も一応は増加しています。
駅周辺開発がうまくいっているとは決して思いませんが、その是非は今後自ずと分かってくるのではないでしょうか。
東口開設前の最大値が11,150人であることから、現時点では地元民利用はまだ全体の2割程度に留まっていることになります。
つまり流動的な要素も多く、今後の傾向をよく見てゆく必要がありそうです。

 八千代緑が丘駅の推移   〜安定増加はまだまだ止む気配なし

最新数値の
初年度比増加率
最新数値の
前年度比増加値
最も増加した年度
(開業1年目除く)
最も減少した年度 相関係数
(増加数の安定度を示す数値で、
1に近いほど安定度が高い)
+161.5% +2.0%
(+617人)
 数:2005年度(+2,783人)
 率:2005年度(+11.8%)
減少記録なし 0.985325832
東葉高速線内で、最も安定的かつ好調に増加を続けている駅です。開業以来、未だに利用客数が減少していません。
そんな駅周辺は、東葉高速線開業により最も発展したと言われている地域です。
最近は不況に煽られ増加数は3桁に落ちていますが、それまでは毎年4桁増加が当たり前でした。
駅北西部は現在区画整理中で、宅地分譲が始まったばかりなのでまだまだ利用客数が増える要素はあります。
西八千代の新たな拠点として、この増加が果たしてどれだけ続くか見物です。今後の動向が気になる所です。
2010年度では減少中の東葉勝田台駅を抜き、線内3位の利用客数となりました。
恐らく今後10年以内に、京成線の八千代台駅にほぼ並ぶことも充分考えられるのではないでしょうか。

 八千代中央駅の推移   〜低位からの安定増加、成熟期突入

最新数値の
初年度比増加率
最新数値の
前年度比増加値
最も増加した年度
(開業1年目除く)
最も減少した年度 相関係数
(増加数の安定度を示す数値で、
1に近いほど安定度が高い)
+171.4% +1.2%
(+249人)
 数:2007年度(+1,707人)
 率:1998年度(+12.0%)
 数:2009年度(-88人)
 率:2009年度(-0.4%)
0.975369751
八千代中央駅も八千代緑が丘駅と同様に、安定的な増加が続いていま「した」。
しかし周辺開発も一定段階に到達し、不況に煽られた2009年度で遂に開業以来初の減少を喫してしまいました。

ただ開業当初の利用客数が少なかったこともあり、初年度比増加率は八千代緑が丘駅よりも高いです。
飯山満駅や船橋日大前駅より少なかった八千代中央駅は、今やその2駅とは大差を付けるほどにまで膨れ上がりました。
2009年度の減少も不況に煽られて多少減った程度のものなので、大した影響も無くまた持ち直してゆく思います。
ですが前述の通り周辺開発が一段落ついており、果たして今後はどのように推移してゆくのでしょうか。

 村上駅の推移   〜大きな駅勢圏の中で少しずつ膨れる小さな頭

最新数値の
初年度比増加率
最新数値の
前年度比増加値
最も増加した年度
(開業1年目除く)
最も減少した年度 相関係数
(増加数の安定度を示す数値で、
1に近いほど安定度が高い)
+271.4% +4.1%
(+170人)
 数:2002年度(+989人)
 率:2002年度(+56.7%)
 数:2009年度(-20人)
 率:2009年度(-0.5%)
0.975288437
村上駅は母数が少ないため、数値の割に率が多めに反映されます。
八千代中央駅同様増加が長らく続いていましたが、不況に煽られた2009年度に開業以来初めて減少しています。
また長いスパンで見れば安定して増加しているのは確かですが、2002年度のフルルガーデン八千代開業といった
大幅増加する要素もあったので、母数の少なさと相まって相関係数ほど安定している訳では決してないと思います。

そもそも村上駅は勝田台駅に近く、村上団地など駅勢圏人口の多くが従来通りバスや自転車で勝田台駅へ流れています。
ゆえに母数自体が少なく、また周辺もある程度開発されているため増加も思うようにいかないのが事実です。
2009年度に駅前の区画整理が終わり、駅周辺の開発も続いているため今まで通りの増加は続くと思いますが、
他駅に並ぶような大幅な増加はあまりなく、今後も東海神駅を追い抜く程度に留まるでしょう。

 東葉勝田台駅の推移   〜大幅増加の要素なし、背後に脆くなる二次駅勢圏の姿あり

最新数値の
初年度比増加率
最新数値の
前年度比増加値
最も増加した年度
(開業1年目除く)
最も減少した年度 相関係数
(増加数の安定度を示す数値で、
1に近いほど安定度が高い)
+64.0% -0.3%
(-89人)
 数:2000年度(+2,087人)
 率:1998年度(+8.2%)
 数:2009年度(-1,097人)
 率:2009年度(-3.4%)
0.77889229
東葉勝田台駅は2002年度までは順調に増加していたのですが、それ以降は伸び悩んでいます。
3万人台前半で増減を繰り返しているのが現状です。2009年度では、西船橋駅を除くと線内で飛び抜けて減少しています。

というのも、東葉高速線への逸走源となっている京成線の八千代市内・佐倉市内の独占区間は現在高齢化が進み、
利用客数は近年各駅ともに揃って減少し続けています。勝田台もその例に漏れず、高齢化率は高いです。
京成線勝田台駅の1日平均乗降人員は、現在5万人台前半で東葉勝田台駅と同じように増減を繰り返しています。
もっとも逸走客の割合が多少高まったこともあり勝田台駅に関しては現在横這いで済んでいますが、
大して増える要素もないので、京成線の佐倉3駅等と同様にいずれ減少へと転じるでしょう。
一足先に東葉高速線初の減少傾向への転化駅となるかもしれません。